Up 存在論は出尽くしている──「色即是空空即是色」 作成: 2023-12-27
更新: 2023-12-27


    存在論は,パターンが出尽くしている。
    存在論と称するものが数多くあるが,それらはどれかのパターンに類し,そして浅い・深い,かんたん・ややこしいのバリエーションがあるに過ぎない。


    理性批判の存在論は,理性が押しつけてくる意味を取り除いたときの存在を,立論しようとする。
    この場合,その存在はどうしたって「仮象」というものになる。
    そして「仮象」の存在論は,ブッダのときに已にできている。
    「色即是空空即是色」というわけである。

    「仮象」の存在論は,観念論ではない。
    科学も,存在論は「仮象」の存在論になる。
    ──物は,スケールに応じて,存在の階層を現す。

    実際,「仮象」をとらない存在論は,イデオロギーである。
    例えば,マルクス主義イデオロギーの存在論は「唯物論」であるが,これは人間スケールに終始していながら,手前味噌に「科学的」と僭称する手合いである。