「生命の起源」は,「無生物質から生物が発生」で考えるとなっている。
特に,「生物の歴史」は,「化学進化 → 生物進化」で考える。
化学進化 (『岩波生物学辞典』)
- アミノ酸・糖・ヌクレオチドなどの低分子生物有機化合物の生成
- 蛋白質・核酸のような高分子生物有機化合物の生成
- これらの高分子物質から構成された多分子系の生成
- 蛋白質および核酸合成系をもち,遺伝機構を獲得した原始生命の誕生
「有機物蓄積」論の根拠 (『岩波生物学辞典』)
- ミラーの放電実験に始まるモデル実験
- 隕石や宇宙空間に種々の有機物が見出される
『よくわかる分子生物学の基本としくみ』, p.36,37
- 地球は最初,ドロドロに溶けていた。
- 原始の地球は,遊離の酸素にきわめて乏しい還元的な環境だった。
- 40〜38億年前,地球の表面が冷えて海ができると,落雷や深海底から吹き出す熱水のエネルギーなどを使って,比較的短時間に有機化合物ができた。
- 還元された化合物である有機物が,結構な量として非生物的に構成されて,蓄積された。(「有機物の熱いスープ」)
- 有機物の熱いスープから,細胞ができた。──細胞の誕生は,生物の誕生。
- ひとたび生物が誕生すると,非生物的有機物は生物の餌や栄養分になって,アッという間に消失する。
こうして,「有機物は生物がつくったものしか見当たらない」という現在の状況になった。
『よくわかる微生物学の基本としくみ』, p.13
- 地球は,酸素が存在しない原始大気(二酸化炭素,一酸化炭素,窒素,水蒸気)覆われていた。
- 火山の噴火,稲妻放電などのエネルギーにより有機小分子(メチルアルコール,エチルアルコール,アセトアルデヒド,アミノ酸など)が生成された。
隕石中に有機物の存在,および原始大気を用いた放電実験により,有機小分子の生成を確認
- これらとミネラルを含む原子の海の中で,コアセルベート (コロイドのような微細粒子)が生成された。
- そしてこれから,原始生命である原核生物 (嫌気性細菌) が誕生した。(38億年前)
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