『よくわかる微生物学の基本としくみ』(高麗寛紀著, 秀和システム, 2013), p.13
- エネルギー源を環境物質(例えば硫化水素)に依存していた嫌気性細菌(原始細菌)の誕生から約6億年が経過した32億年前に,水と二酸化炭素から太陽光をエネルギー源として有機物と酸素を生成する光合成細菌(シアノバクテリア)が誕生した。
- この新しい細菌は,自分で炭素固定(有機物の生合成)とエネルギーをつくることができるため,原始細菌と異なり,その生息範囲を急激に拡大し,酸素が大量に生産され始めた。
- 現在と同じ酸素濃度になったのが,約20億年前。
註.
「光合成細菌」
光のエネルギーを利用して二酸化炭素の同化,有機化合物の合成などを行うが,水を電子供与体として利用できない原核生物の総称。
紅色細菌と緑色細菌に大別される。
(『岩波生物学辞典』)
|