Up 「生命の解明は分子マシンの解明」の思い 作成: 2015-03-12
更新: 2015-03-12


    生物学は,生命 (生体) がすごく複雑で,すごくうまく出来ているシステムであることを,明かしていく。
    一方,これは,生命をますます不思議なものにする。
    なんでこんなすごく複雑で,すごくうまく出来ているシステムが実現されたのだ?つくろうとしてつくったものではない。偶然の蓄積で成ったものだ。こんなことがいったいあり得るのか?」というわけである。

    ひとが対象を理解する形は,「それをつくることができる」である。
    分解して再構築できたら,わかったつもりになれる。
    ところで,分解はすればするほど,再構築が難しくなる。
    生物学の生命解明は,こんな状況にある。
    分解 (「分析」) が,果てしないふうになってしまうからである。
    分析が詳細になっていくほど,生命はますます不思議なものになる。

    「分解・再構築」は,「function を基本function に分解し,部品になった基本function でもとの functon を組み上げる」である。 (ここで "function" の語を用いたのは,「機能」と「関数」の両義を用いたいためである。)
    「生命の解明」の場合,「基本function」は「分子マシン」になる。
    課題は,分子マシンを組み上げて生命 (生体) を再現することである。
    こうして,「生命の解明は分子マシンの解明」の思いとなる。