Up 分子の傾向性 : 要旨 作成: 2015-03-07
更新: 2015-03-10


    細胞の諸機能を「マシン」に見立てるとき,動作しているものは分子 (特徴的に,タンパク質)である。
    その動作は,「傾向性 (if ‥‥ then ‥‥) の発現」としてとらえることになる。

    ここで,酵素と基質の「鍵と鍵穴」のような,分子同士の会合を考える。
    これは,ランダムに運動する双方の偶然のフィットというふうには考えられない。
    分子は,餌を探し求める怪獣のように動作するものでなければならない。

    生体分子は,高分子である。 「高分子」には,「傾向性の発現 = 自分の餌になるものを探し求める」の含蓄があるか?
    現前は,「そうだ」と言っている。

    こうして動作主体の趣きになった分子は,「if ‥‥ then ‥‥」の動作が,さらに「認識」に見えてくる。
    実際,人の認識の「if ‥‥ then ‥‥」と分子の動作の「if ‥‥ then ‥‥」の間に,区別は立たない。
    翻って,分子の動作の「if ‥‥ then ‥‥」に対し「認識」のことばを使うことは,方便を承知の上なら,ありとなる。