Up 細胞 作成: 2015-03-09
更新: 2015-03-09


    地球上の生物は,細胞の構造をもつ。
    このことを,つぎのように解釈する:
      地球上の生物は,始原一系統。
      その始原は,細胞の構造をもつようになった。

    細胞の原初は,内と外を区画する袋。

      『よくわかる分子生物学の基本としくみ』
    • 「細胞という小さな袋の誕生が,生命の誕生‥‥
      細胞膜で囲まれた小区画ができることによって,細胞内は外側から区画された特別な環境になり,それが細胞という複雑で精巧なシステムを作り上げていく長い道のりの第一歩になった。」 (p.96)
    • 「両親媒性で2本脚の脂質分子が水中にたまると, [小さな袋]が自然に形成される。‥‥
      ただ,‥‥脂質の膜ができただけでは,機能的な細胞膜とはいえません。‥‥
      中身についても,外部とは異なる組成や構造をもつようになって,初めて細胞としての機能ができる。‥‥
      袋ができただけでは,細胞への第一歩であって,実は細胞とはいい難い。」 (p.99)
    • 「細胞膜は脂質でできているため,‥‥親水性物質の通過に対するバリアーになっている‥‥
      ところが,生体を構成する物質の大部分は親水性‥‥
      実は,細胞膜には,親水性物質を選択的に通過させる機能や,濃度勾配に逆らって必要な物質を取り込む機能[がある](輸送タンパク質)‥‥
      こうして細胞内には,外部環境とは異なる内部環境が誕生するわけです。」 (p.99)

    細胞の内容物:
      DNA
      タンパク質
      代謝物質
      等々

    膜には,流動性がある。

      『よくわかる分子生物学の基本としくみ』
    • 「膜の脂質分子はどこにも固定されているわけではないので,膜に添ってかなり自由に動きます。
      このことを膜の流動性といいます。‥‥
      膜に埋め込まれているタンパク質も比較的自由に移動できる」 (p.103)
    • 「流動性が高すぎても低すぎても,膜としての機能に差し支えます。
      流動性は温度によって左右され,温度が低いと結晶状になり,高いとグズグズになる。‥‥
      温度が変化する環境にいる生物は,外界の温度が変化すると,それに合わせて膜の脂質組成を変化させて,温度に適した流動性を保つように調整[している]
      細胞というものは,ここまで気配りして生きている。というか,ここまで気配りしないと生きていけない」 (p.104)