Up 分子 : 要旨 作成: 2015-03-07
更新: 2015-03-08


    細胞の諸機能を「マシン」に見立てるとき,動作しているものは分子 (特徴的に,タンパク質)である。

      「何万種類ものタンパク質が,必要なときに必要なだけつくられ,必要に応じて修飾されて,特定の場所へ集合し,会合して,システム構造をつくり出し,必要な機能を果たしている。」
      『よくわかる分子生物学の基本としくみ』, pp.55)

    分子に意思があるわけでないから,その動作は「傾向性 (if ‥‥ then ‥‥)」に因っていることになる。
    この「傾向性」を科学しようとしたら,化学・物理学になる。
    細胞の諸機能の科学は,「分子生物学」になる。

    分子生物学は,マシンの機能の説明をつくるが,このようなマシンの実現がなぜなったのかの説明は,まだつくれない。
    マシンの機能の説明が精緻になればなるほど,このように精巧で合理的なマシンがなぜなったのかの不思議は,ますます大きくなる。

    マシン実現の探究は,「生物構築学」ということになる。
    「生物構築学」の現状は,小さな「分子マシン」実現の実験研究である。