Up 『資本論』が共産主義者の経済学になったわけ 作成: 2015-10-21
更新: 2015-10-21


    『資本論』は,マルクスの経済学である。
    マルクスは『共産党宣言』をつくった。──このことで,マルクスはは共産主義イデオローグである。
    共産主義者は,共産主義イデオローグとしてのマルクスを崇める。
    以上を短絡的につなげて,「『資本論』は共産主義者の経済学」となる。

    マルクスは,「矛盾の止揚」として共産主義を立てた。
    しかし,人が「矛盾の止揚」として行うことは,物事の複雑がわからない者の所業であるから,よりひどい事態を招くだけとなる。
    実際,共産主義国家は,「よりひどい事態を招く」の実際証明になった。

    『資本論』は,「『資本論』は共産主義者の経済学」の位置づけで,共産主義国家と同罪にされる。
    共産主義を退ける者は,『資本論』を退けねばならない者になる。
    ここが,『資本論』の不幸である。
    繰り返すが,『資本論』は商品経済を科学したものであり,商品経済学である。
    マルクスは『資本論』を科学者のスタンスでつくっている。 共産主義イデオローグのマルクスは,『資本論』の中にはいない。