Up イデオロギー批判作法 作成: 2013-12-31
更新: 2014-01-09


    「イデオロギー」は,「信念体系」と訳される。
    「信念」は,「信仰」と「信」で通じる。
    イデオロギーの「信」は,宗教の「信」と同じ「救済」への「信」である。

    イデオロギーと宗教の違いは?
    救済を行う主体が人間か神かである。

    イデオロギーの「信」も,「聖」を立てる。
    「救済」の闘いは「聖戦」である:
      起て同胞(はらから)よ 行け闘いに
       聖なる血にまみれよ

       (「ワルシャワ労働歌」)  


    宗教批判は,その宗教に入っている者に対して行うものではない。
    同様に,イデオロギー批判は,そのイデオロギーに入っている者に対して行うものではない。
    単に,余計なことである。

    マルクス主義批判は,自分と同じようにマルクス主義を俯瞰する者たちを受け手として,つくるものである。
    つくる目的は何か?
    マルクス主義への対応を間違えないようにするためである。

    イデオロギーは,独善である。
    そしてこの独善が人の意識改革や組織の改変を標榜するものであるとき,それは迷惑なものになる。
    マルクス主義は,このようなイデオロギーの典型である。
    そして,人の意識改革や組織改変を標榜するイデオロギーは不滅である。したがって,マルクス主義は不滅である。
    実際,これとの付き合い方が絶えず問題になってくるわけである。
    そこで,これとの付き合い方を心得ておくことが必要になる。
    そしてこの心得を論じるとき,それは「マルクス主義批判」の意匠になる。