Up 「唯物論」の方法論と限界 作成: 2014-01-03
更新: 2014-01-03


    マルクス主義は,「革命」のイデオロギーである。
    現前をすべて一新すべきものと定め,これの「革命」を企てる。
    一新すべき現前のうちには,思想/哲学が当然入ってくる。
    思想/哲学の「革命」が,「唯物論」である。

    唯物論は,構成主義が方法論である。
    「集合」ベースの構成主義の数学に似ている。
    見掛け,規範学になる。

    唯物論は,人が対象化しているものすべてを「物」から構成しよういう企てである。
    とりわけ,自分が「観念的産物」と称しているところの「意識」「言語」といったものを,「物」から構成しようとする。
    実際,これができれば,唯物論はたいしたものだということになる。

    この企ては,当然成功しない。
    大工仕事で「心」をつくれないのと同じである。

    しかし,マルクス主義者は,自分の優位性を信じる者であるから,この企てに前のめりの体(てい) で入っていく。
    しかも,唯物論は,体勢として規範学である。
    結果として,「唯物論」は,この名前とは真逆の空論をつくり出すものになる。