Up 軍国主義 作成: 2022-06-13
更新: 2022-06-13


    「国」は,共同体が外と(いくさ)を構えるときの顔である。
    国を構えようとすることは,軍国主義に立つことである。

    共同体は,国を構えようとして軍国主義に立つものとそうでないものに分かれる。
    そしてこれらが共存する系では,進化論が謂う意味の「自然選択」が働く。

    自然選択は,複雑である。
    何が起こるか定まらない。
    それでもはっきりしていることは,非軍国主義の共同体は軍国主義の共同体に攻められる。
    他の共同体に支配されることになり,同化される。


    共同体喪失のうちには,民族主義を生むものがある。
    共同体を復興しようとする民族主義である。

    民族主義による共同体復興には,タナボタが要る。
    第二次世界大戦後のイスラエル建国,ソ連邦崩壊によるウクライナ独立も,タナボタである。
    この場合,国が本当に成るかどうかは,共同体のその後の構えにかかっている。
    即ち,軍国主義を怠れば,以前の状態に戻る。


    軍国主義は,是非の話ではない。
    単純に,力学系/生態系の話である。
    ──実際,死ぬも生きるも個・集団の勝手である。