Up 通俗『国家論』の間違え方 : 国と権力の混同 作成: 2022-06-12
更新: 2022-06-12


読売新聞, 2022-06-06
   読売新聞, 2022-06-12
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    「国」は,共同体が外と(いくさ)を構えるときの顔である。
    この顔が弱いと,この共同体を攻めることを欲する国から,攻め込まれる。
    そこで,他の国から攻撃されることを恐れる共同体トップは,顔を強面(こわもて)につくろうとする。
    北朝鮮は定めし,このたびのウクライナを反面教師/他山の石にしている。


    平和の時節に生きている者は,戦争をあり得ないことと思う。
    そこで,「国家」を専ら<内向きの機能>で考える。
    そしてこの思考回路がつくり出すのが,「国家=暴力装置」論である。

    「国家=暴力装置」論の謂う「暴力装置」は,内向きの暴力装置である。
    共同体の員に向けた暴力装置である。
    しかし内向きの暴力装置は,国ではなくて,権力である。
    「国家=暴力装置」論は,国と権力を混同するのである。