Up 「右翼・左翼」とは? 作成: 2022-06-12
更新: 2022-06-14


    右翼 vs 左翼 は,「国家」論の対立である。
      右翼は,ナショナリズム
      左翼は,インターナショナリズム(註)

    ナショナリズム vs インターナショナリズム は,「戦争」論でつぎの対立になる:
      ナショナリズムは,「他の国から自国を守るために戦う !」
      インターナショナリズムは,「国が無くなれば戦争が無くなる──国を無くせ !」


    右翼は,愛国主義を当然とする。
    愛国主義でない者を「非国民」にする。
    こうして,全体主義になる。

    左翼は,平和主義に捻れる。
    「国が無くなれば戦争が無くなる」が「皆が平和を願えば戦争が無くなる」に捻れるのである。
    しかし他国からの攻撃が現実的脅威になってくると,平和を願うことに何の効力も無いことがはっきりしてしまい,自家撞着を曝す。


    ひとは,戦争の時節には右翼になり,平和の時節には左翼になる。
    右翼と左翼の両方から離れていられる者は,少ない。
    右翼と左翼の両方から離れていられるためには,しっかりした知識と理論が要るからである。


    もっとも,他国に支配されることを肯んじないことは,一般に右翼も左翼もない。
    平和主義者も, 「戦争するより支配される方がマシ」とはならない。
    どうして?
    その被支配に「死んだ方がマシ」の絵を想像するからである。



    .「インターナショナリズム
    「インターナショナリズム」は,昔のことで,いまの世代の知らないものである。 よって,簡単に説明しておく。

    昔の左翼は,「万国の労働者よ団結せよ!」がスローガンだったのである。
    「世界革命」が,これの理論であった。
    この理論では,「国は資本家が必要とするものであり,労働者には要らないものだ」となる。

    ここで,スターリニズムが「共産主義」になる。
    世界革命理論はトロツキズムとして粛清される。
    スターリニズムは「一国社会主義」と表現されるが,これは「国は人民が必要とする」への転換である。

    ひとは「共産主義」を左翼だと思っているが,これは間違い。
    いまの中国を見ればわかるように,体制になった「共産主義」は,国家論・戦争論では右翼なのである。