Up 唯物論の写像理論 (反映論) 作成: 2011-09-15
更新: 2011-09-15


    Wittgenstein の『論考』の写像理論は (結局のところ):
      ことばは,イデアと対応する
    唯物論の写像理論 (反映論) は:
      ことばは,事物と対応する


    なぜ,実体論的存在論がイデア論になり,唯物論にならなかったかというと,「事物」だとうまくいかないという結論になったからである。

      実際,「石狩川」に対応するのが事物だったら,つぎのようなばかばかしい問いがいくらでも立つことになる:
        「石狩川」はいま流れている水のことか,さっき流れていった水のことか?
        この岸を含めるのか?──だって岸を含めないと川の格好にならないぞ。実際,どこくらいの幅で考えるといいのか?

    唯物論は,存在論の幼児返りの趣がある。