Up 「個・系」の存在論 : 要旨 作成: 2014-09-20
更新: 2014-10-25


    「系─個」存在論には,類縁の存在論がある。 ここでは,特に「個・系」が強調されているものを取り上げる。

    スピノザの「コナトゥス」は,「個・系」の存在論として読める。
    即ち,「相互作用する個」の「作用 (努力)」が,「コナトゥス」である。

    「オートポイエーシス」は,つぎの存在論である。
    <系>の現前は,<個>の「自分の位相を<自分以外>に対して調整する」がその都度定める。
    個それぞれがこの調整を行うことの結果は,「「自分の位相を<自分以外>に対して調整する」が再び必要になる」である。
    <系>のスケールでこの模様を観れば,「<系>は,その都度自分自身に反応し (self_referrential),自分を変える」に見える。
    これは,自分を飲み込み続けるウロボロスの絵図である。

    複雑系科学は,「個の相互作用の現象」を,実際に科学するものである。

    「無用の用」も,「有るものは,見えないものを伴っている」の意味では,「個・系」の存在論の一タイプと見なせる。