Up | 「リゾーム」(ドゥルーズ=ガタリ) | 作成: 2015-04-15 更新: 2015-04-16 |
『リゾーム‥‥序』は,作者の独特な企図/思い込みからナンセンスの冗長な多弁が文体になっているが,述べられていることは「自己言及的生成システム」の考えである。 ざっくり, 「オートポイエーシス」と一緒にしてよい。 「リゾーム rhizome (地下茎)」は,「racine (根)」の対立概念として立てられる。 このときの「根」の意味は,トリー(木)構造である。 対して,「地下茎」の意味は,ネットワーク構造である。 「リゾーム」は,動的に変化するネットワークを絵図にする。 その動的変化のダイナミクスは,「自己言及的生成」である。 ネットワークのノードは,<その都度自身の位置取りを調整>を運動する。 <その都度自身の位置取りを調整>は,ノード個々においては単純な運動だが,これの総合になるネットワークは,複雑な運動体 (「複雑系」) になる。 「複雑」の相は,「リゾーム」では "multiplicité " と表現される。 「ダイナミクス/メカニズム」の相は,"machine" (機械) と表現される。 <その都度自身の位置取りを調整>は,"agencement" (「組み込み」) の表現になる。 そして,トリー構造の構成的システムに対立させる自己言及的生成システムは,「器官で構成される身体」に対立する "corps sans organes" (「器官なき身体」) である。
c'est-à-dire quand il est élevé à l'état de substantif.
ou bien une totalité signifiante, ou bien une détermination attribuable à un sujet,
de faire passer et circuler des particules asignifiantes, intensités pures, et de s 'attribuer les sujets auxquels il ne laisse plus qu'un nom comme trace d'une intensité. さらに,「器官なき身体」は他の「器官なき身体」とネットワークを成して,高次の「器官なき身体」を構成する。 (「系-個」存在論!)
En tant qu 'agencement, il est seulement lui-même
par rapport à d'autres corps sans organes . <その都度自身の位置取りを調整>の "agencement" は,これを「動因」の相でとらえれば,"desire" )「欲望」) の表現になる。 l'Anti-Œdipe の "machines desirantes" (「欲望する機械」) は, 「自己言及的生成システム」である。 (Deleuze + Guattari, 1972 : l'Anti-Œdipe) ドゥルーズによる "virtuel" (「潜勢的」) の概念も,「自己言及的生成システム」に含ませるとしよう: "virtuel" の主題化は,自己言及的生成のダイナミクスの主題化に包摂される。
(Deleuze, 1995 : L’actuel et le virtuel)
|