Up 波動関数の存在論的意義 作成: 2019-08-26
更新: 2019-08-26


    ひとが存在論をつくるときは,自分の身の丈で「存在」を考えてしまう。
    《「存在」を自分の身の丈で考えてしまっている》は,自覚されない。
    即ち,自覚される契機に遭わなければ,自覚されない。

      哲学の存在論は,このレベルのものである。


    ひとが思う「存在」は,「物が在る」である。
    「物が在る」は,紙に書いた○がこれの絵になるものである。

    「波動関数」は,つぎのことを言っている:
      原子レベルの存在スケールになると,存在は「物が在る」ではない

    こうして,「波動関数」は《「存在」を自分の身の丈で考えてしまっている》を自覚する契機になる。


    翻って,《「存在」を自分の身の丈で考えてしまっている》を自覚する契機は,「波動関数」が最初のものである。
    実際,<「物が在る」ではない存在>は,これの絵を持てて初めて思えるものである。
    そして「波動関数」が,その絵の最初のものである。

      但しこの絵は,数式である。