Up 多産多死 作成: 2019-07-15
更新: 2019-07-15


    生物は,繁殖を自己目的化した存在である。
    繁殖は,自分をつなぐことである。
    つなぐ方法は,自分のクローンをつくることである。
    存在は劣化するので,自分が劣化する前にクローンをつくり,そしてこれを成したらすみやかに死ぬ。
    これが,生物という存在である。

    <自分をつなぐ>は,クローンをつくっただけでは成らない。
    そのクローンがまた自分のクローンをつくるのでなければならない。

    これが成るために,生物の個体は過剰にクローンをつくる。
    つくったクローンが続けてクローンをつくることは,きわめて確率が低いからである。 ──クローンをつくる前に死んでしまう確率がきわめて高い。

    ある生物種が,一個体当たりのクローン生産数が万であるとする。
    これは,万に一つがつぎの代のクローンをつくる者になることを示している。
    ──百だったら「百に一つ」, 十だったら「十に一つ」。