Up 「内包と外延」 作成: 2017-09-24
更新: 2019-05-31


    「存在」は,「同じが色々に現れる」というふうになる。
    存在をこのように捉え,<同じ>と<現れ>をそれぞれ「内包」「外延」と呼ぶ。
    この方法で,論理学風の存在論をつくることができる。
    アリストテレス由来ということになっているが,数学の論理学はこれである。

    「内包・外延」は双対の概念である。
    このことばはつぎのように用いる:
      「条件Aを内包とするところの外延 (集合)」
      「集合Aを外延とするところの内包 (条件)」

    「内包・外延」は双対の概念であるが,これを切り離すとイデア論ができる。
    即ち,「内包・外延」の「内包」を独自存在 (「イデア」) とし,さらにこれこそが実在であって「外延」はこれの影的存在であるとする。
    これがイデア論である。

    ここでは,イデア論が「内包・外延」の論理学の畸形的変異──高々それだけのもの──であるということを,ひとまず押さえておく。