Up 現前論は,現成論になる 作成: 2016-04-13
更新: 2016-04-13


    現前は,<物事の落としどころ>が成っている相である。
    よって,現前論は現成論となる。

    現前は,運動体である。
    現前は,現時点での運動の変化率を含めて,現前である。
    運動の進行とともに,<物事の落としどころ>も変わっていく。
    <物事の落としどころ>はその都度変わるものである。

    特に,現前を「現成」と捉えることは,現前を「是」とすることとは違う。
      ある国が「いまの状況が変わらなければ,余命100年」の運動をしているとする。
      この現前は,現成である。
      是も非もない。

    特に,現成とは,現前が続くということではない。
      「いまの状況が変わらなければ,余命100年」の運動をしている国は,これを含む大きな系の運動の中にある。
      「いまの状況が変わらなければ」の仮定の内容は,系の運動によってその都度変わる。


    「いまの状況が変わらなければ,余命100年」に対し,<維新の志士>が現れる。
    大衆は,これに期待し,声援を送る。
    しかし,<維新の志士>は,「余命100年」をさらに短くしてしまう被害甚大の状況をもたらしこそすれ,「余命100年」を伸ばす状況をつくれはしない。
    <維新の志士>は,<物事の落としどころ>のぶち壊しをする者であり,この分際にとどまる。

    一方,<維新の志士>の登場とその顛末も,現成のうちである。
    ──現成のウロボロス構造