Up 本論考の構成──2部構成の意味 作成: 2020-06-06
更新: 2020-06-06


    本論考は,二つの別の主題を扱っている。
    それぞれ,「全体主義」「精神革命主義者」と題した。

    「全体主義」は,つぎの論考である:
    • 人の<生きる>は,<人の系で生きる>である。
      この生き方に弱る者は,自分を保とうとして「精神」を立てる。
      人の系には,色々な精神主義がある。
    • 人の系は,<一つの精神主義的なイデオロギーに員全体が付和雷同する>が起こる。
      これは,全体主義になる。
    • 個は多様であるから,全体主義は<外れ者>を生む。
      この者は,自分を守ろうとする。
      行動では,反抗・隠遁・偽装・自己欺瞞。
      思想では,自由主義を立てる。

    「精神革命主義者」は,つぎの論考である:
    • 人の系は,精神主義的な革命イデオロギーが色々現れる。
    • イデオロギーが立てる革命は,ことばに過ぎない。
      即ち,「ひとの革命的実践がこれを成し遂げる」とはならないものである。
      したがって,このイデオロギーを実践しようとする者──革命屋──は,自滅することになる。
    • 革命屋には自負心タイプと真面目タイプがあり,この2タイプに応じて革命屋の自滅も2様になる。
      自負心タイプは孤立が最終相で,真面目タイプは挫折が最終相。


    この二つの主題は,実際のところ,つながっていない。
    端的に,別個のものである。
    一つの論考に別個の2つを並べることになったのは,成り行きである。

    即ち,本論考はつぎのように増殖した:
       『シュールレアリズム宣言』
      → 革命屋
      →「人民革命」の全体主義
      → 反パルタイ
      → 反抗
      → 精神主義,全体主義,自由主義
    実際,本論考の最初の題は『革命屋自滅の公式』であり,『精神主義のしくみ』の題は後になってつけたものである。