Up 悪の矯正・退治 作成: 2020-02-23
更新: 2020-02-23


    <精神の自由>主義──精神のタイプに対する相対主義──の逆は,<精神の善悪>主義──精神のタイプに良否を立て,等級をつける──である。

    <精神の善悪>主義は,《悪い精神を矯正する──矯正の見込みのないものは退治する》の考えに進む。
    そこで,<精神の善悪>主義で,現体制を悪い精神との往還に解釈するものは,革命主義になる。
    その革命は,《悪い精神を打倒し,悪い精神に抑圧されてきた良い精神を解放する》である。


    この革命が成ると,革命政権の意に沿う精神が良い精神になり,沿わない精神は悪い精神になる。
    この悪い精神は,矯正・退治の対象になる。
    これは,精神の自由が無くなるということである。

    このように,「悪を倒す」を「解放」の内容にする革命は,革命が成ったら必ず粛清体制になる。
    これまでに革命政権国家がいろいろ立ったが,これらを観じてひとが教訓とすべきは,《精神のタイプに良否を立ててはならない》である。 ──《<精神の自由>を立場とするのみ》である。