Up 精神主義とは : 要旨 作成: 2020-03-22
更新: 2020-03-22


    ひとにとって自分が生きる系 (「体制」) は,先ず所与として現れる。
    ひとの<生きる>は,<系に適応>である。

    適応は,簡単なことではない。
    個の多様性は,ドロップアウトを一方の極とする適応度の多様性として現れる。


    己の不適応を意識する者は,己の不適応をつぎの二通りの形で了解しようとする:
      1. 自分がダメ
      2. 体制がダメ

    「体制がダメ」に向かう者は,社会を<穢れ>に見立てようとする。
    そして,つぎのように思う/思おうとする者になる:
      わたしは穢れを退ける──これは適応しないということだ

    この者は,自分を精神の高潔な者と見立てる。
    「精神の高潔」を立てる思弁的構えを,本論考は「精神主義」と呼ぶことにする。