Up 「脱構築 (deconstruction)」 作成: 2010-06-15
更新: 2010-06-15


    「脱構築 (deconstruction)」ということばがある。
    「脱構築」の意味は,むずかしくない。 「これはこんなふうに構築されている」といままで思っていたものに対し,新たに別の「構築」を読もうとするとき,この行為が「脱構築」である。

    「脱構築」は「構築」である。
    「脱構築」とは何か?に答えることは,「脱構築」の「構築」がどんなタイプのものかを答えることである。

    「脱構築」の「構築」は,《異種のものの間に<同型>を見る》ことになるところの<構造>の構築である。 (「同型」というときの「型」は,「構造」である。)
    「脱構築」のお里は,構造主義にある。
    実際,構造主義を行うとは,「脱構築」を行為することである。

    「脱構築」が一時期ブームになったのは,「既成・固定観念の呪縛からの解放」のロマンチシズムが気に入られたためである。 そしてこのようなブームでは,「脱構築」を「テクストの勝手読み」のように受け取るむきも出てきた。
    しかし,繰り返すが,《異種のものの間に<同型>を見る》ことになるところの<構造>を構築することが,「脱構築」である。「脱構築」のテクストの読み方は,《異種のものの間に<同型>を見る》ことになるところの<構造>を読み取るというものである。