Up 蘇東坡(?) :「柳緑花紅真面目」 作成: 2011-11-05
更新: 2018-03-21


    解釈1: 「多様性を以て完結」
    生き物に目をやると,個々に見事に完成している。
    だれかに評価してもらうために見事な様を醸しているのではない。 ただ,独自である。
    個々に一生懸命 (真面目) である。
    それはそれは健気な様である。
    ──こんな生き物たちでびっしり充たされているのが,この世界である。


    「柳緑花紅 真面目」から「真面目」をとって「柳緑花紅」にすると,つぎの解釈の余地が出てくる:
    解釈2: 「独り相撲・空回り」
    即ち,つぎの「廬山烟雨浙江潮」と同趣旨:
      廬山烟雨 浙江潮
      未到 千般恨不消
      到得歸來 無別事
      廬山烟雨 浙江潮
         廬山は煙雨 浙江は潮
      未だ到らざれば 千般(うらみ)消えず
      到り得て帰り来れば 別事無し
      廬山は煙雨 浙江は潮


    「柳緑花紅真面目」「廬山烟雨浙江潮」とも蘇東坡のものとされているが,不詳。 ──即ち,<だれかが出典を押さえているんだろう>のもたれ合いにより, 「蘇東坡作」がひとり歩きしてきた,ということ。