仏教は,空観である。
空観は,学の向かうところを無くす。
そして,学の構築において要素となる概念をすべて却けることになる。
こうして,学は立たなくなる。
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『臨済録』「示衆」
世出世諸法、皆 無 自性、亦無 生性。
但有 空名、名字 亦 空。
你 秖麼 認 他閑名 爲 實。
大錯了也。
設有、皆是 依變之境。
有箇 菩提依、涅槃依、解脱依、三身依、境智依、菩薩依、佛依
你 向 依變國土中、覓 什麼物。
乃至 三乘十二分教、皆是 拭不淨故紙。
佛 是 幻化身、祖 是 老比丘。
你 還是 娘生 已否。
你 若 求佛、即 被 佛魔 攝。
你 若 求祖、即 被 祖魔 縛。
你 若 有求 皆苦。
不如 無事。
世[世俗]・出世の諸法は、皆な自性無く、亦た生性無し。
但だ空名有るのみ、名字も亦た空なり。
你[なんじ]は祇麼[ひたす]ら他[か]の閑名を認めて実と為す。
大いに錯了[あやまれり]。
設[たと]い有るも、皆な是れ依変の境なり。
菩提依、涅槃依、解脱依、三身依、境智依、菩薩依、仏依有り。
汝は依変国土の中に向いて、什麼[なに]物をか覓[もと]む。
乃至[ないし] 三教十二分教も、皆な是れ不浄を拭う故紙(註)なり。
仏は是れ幻化の身、祖は是れ老比丘。
汝は還[は]た是れ娘生なりや。
汝若し仏を求むれば、仏魔に摂せられん。
汝若し祖を求むれば、祖魔に縛せられん。
汝若し求むること有れば、皆な苦なり。
無事に如かず。
註 :「トイレットペーパー」
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