Up 信仰 作成: 2018-04-10
更新: 2018-04-11


    「科学の時代の禅」の題目の趣旨は,宗教に科学を対立させることではない。
    いまは,宗教の教義が科学の内容を規制する時代ではない。
    宗教と科学の比較は,今日では無用のことである。

    宗教は,科学の時代にも生き残る。
    なぜか。
    宗教に,科学に時代に見合う内容があるからではない。
    単に,人間は変わるものではないからである。

    宗教とは,教団──信者の集団──のことである。
    教団が生じたり消滅したりという現象は,時代と関係ない。
    宗教は普遍的である。

    宗教の「普遍的」の意味は,「信仰によって救われようとする者の存在は,時代と関係ない」である。
    信仰によって救われようとするタイプの者が常に存在し,彼らを回収しようとする宗教が常に起こる。
    宗教は個々に,「救い」の営業である。
    一個の「救い」営業の成立が,即ち一個の宗教の成立である。