Up 複雑を取り戻す 作成: 2009-09-22
更新: 2009-09-22


    ひとが物をつくれば,単調な物になる。 特に,人工物が多くを占める風景は,単調である。

      単調な風景をつくるのに最も効果的なのが,舗装道路やユニット建造物。 ──この「単調」を感じるために,つぎの実験をしてみよう:
        現前の舗装道路を,想像で,土の道路に置き換えてみる。すると,風景に深みがでてくる。

    ひとは,ひとのつくった単調に,自分のカラダを慣らす。
    複雑を前にして,複雑を切り捨て,単純へと抽象する。
    複雑を見ることができなくなるわけである。


    もっとも,ひとはいろいろなきっかけで,この<カラダの惰性>に気づかされる。 そして,このようなきっかけの一つとなるものに,木のつくる風景がある。
    木のつくる風景は,複雑で奥深い。