ケヤマハンノキとコバノヤマハンノキの見分けは,それぞれに「個の多様性」があることで,困難。
──「コバ(小葉)ノヤマハンノキ」とはいっても,葉の大きさがケヤマハンノキの葉くらいになる個体もある。
以下は,[千葉茂,カバ・ハンノキ属の育種に関する研究(1) : ケヤマハンノキ, コバノヤマハンノキの形態的特徴と染色体数の差異について, 日本林學會誌, 1962] で述べられている形状比較を,表にしたもの (画像を追加):
(画像は,左がケヤマハンノキ,右がコバノヤマハンノキ)
葉 |
形状 |
|
大きさ |
ケヤマハンノキが,コバノヤマハンノキより大きい |
大きさの変異の巾 |
ケヤマハンノキは,コバノヤマハンノキに較べて,大きさの変異の巾が著しく大きい |
第2次側脈の間隔 |
コバノヤマハンノキは,ケヤマハンノキの半分の長さ |
気孔 |
大きさ |
ケヤマハンノキは,コバノヤマハンノキより50%大きい |
分布 |
単位面積当りの気孔の分布数は,コバノヤマハンノキの10に対しケヤマハンノキ4(細胞の大きさが理由) |
冬芽 |
つき方 |
ケヤマハンノキは冬芽が幹から離れて外側に向かっているが,コバノヤマハンノキは幹に接している
|
長さ |
ほとんど差がない |
雄花 |
ケヤマハンノキは,コバノヤマハンノキより平均して1.2 倍長い |
|