Up 冬 芽 作成: 2011-12-20
更新: 2011-12-20


http://www5.ocn.ne.jp/~podzol/sub/huyuzyumoku3.html から引用:

  1. 冬芽(ふゆめ)(winter bud)の種類
    冬芽は必ず葉腋に形成される。冬芽の直下に、必ず葉または葉痕がある

    • 休眠芽(きゅうみんが)
        乾季・雨季や温暖期・寒候期の季節変動に適応した生活スタイル。 「冬芽」は休眠芽。

    • 葉芽(はめ)・ 花芽(はなめ)・ 混芽(こんが)
      • 葉芽 葉や新条になる芽
      • 花芽 花や花序になる芽
      • 混芽 花と葉がいっしょに含まれる芽

    • 隠芽(かくれめ)・ 潜伏芽(せんぷくが)
      • 隠芽 一年生枝(いちねんせいし)の中に隠れている芽
      • 潜伏芽 木質部内に埋まった休眠芽。目覚めると萌芽枝(ほうがし)となる。

    • 頂芽(ちょうが)・ 側芽(そくが)
      • 頂芽 枝の頂端についた冬芽
      • 側芽 葉痕(ようこん)の直上部につく冬芽

    • 頂生側芽(ちょうせいそくが)・ 仮頂芽(かりちょうが)「a 頂芽(ちょうが)型(がた)b 仮頂芽(かりちょうが)型(がた)」
      • 頂生側芽 頂芽(ちょうが)の周囲に輪状に集まった側芽
      • 仮頂芽 枝の一番先に付く側芽 (枝先が枯死し、最上部の側芽が頂芽のようになる) 頂芽型に、枝の伸長パターンが表現され、樹木の生き方を見てとれる
        1. 頂芽型 開葉後、枝を一気に伸ばし,終える樹種。
        2. 仮頂芽型 生育条件が許す間は、枝が伸び続ける樹種

    • 副芽(ふくが)・予備芽(よびが) 
      • 副芽 葉痕(ようこん)の上側に冬芽(ふゆめ)が二つ以上つく場合、主芽と副芽(ふくが)(予備芽(よびが)とも言う)に分ける。
        主芽が障害を受けたときの出番が予備芽(よびが)。

  2. 冬芽(ふゆめ)(winter bud)のつき方
    徒長枝において、その形態がきわめて明瞭に見て取れる

    • 対生(たいせい)・ 輪生(りんせい)・ 互生(ごせい)「a らせん生 b 二列互生(ごせい)」 
      • 対 生 十字対生(たいせい)含む
      • 輪 生
      • 互 生 二列互生(ごせい)とらせん生に分けられる。
        1. らせん生=冬芽(ふゆめ)のつく位置。冬芽(ふゆめ)の数を分母、枝を回った数を分子にすると、1/2、1/3、2/5、3/8、5/13、・・・・のように規則的である。
        2. 二列(にれつ)互生(ごせい)=1/2らせん生である。   
        3. ケンポナシ型=変則互生である。1/4→1/3→1/4→1/3→・・・・

    • 有柄芽(ゆうへいが)・ 無柄芽(むへいが)
      • 有柄芽 芽柄(がへい)有り。
      • 無柄芽 冬芽に柄がない。

  3. 芽鱗(がりん)(bud-scales)
    越冬芽を、乾燥や凍結から守る機能あり、葉の一部が変化したもの。

    • 芽鱗(がりん)痕(こん)=春になり芽鱗(がりん)が役目を終えて脱落した痕(あと)。年齢を数える重要な指標になる。
    • 有鱗芽(ゆうりんが)=芽鱗(がりん)で保護された冬芽(ふゆめ)
    • 裸芽(はだかめ)=芽鱗(がりん)を持たない冬芽(ふゆめ)。サワグルミ、オニグルミ、ハクウンボク・・・。
    • 尾状花序(びじょうかじょ)=裸芽(はだかめ)の花芽(はなめ)。サワシバ、シラカバ、アカシデ、ヤマハンノキ・・・。
    • 芽鱗(がりん)の起源(きげん)
      1. 托葉(たくよう)起源(きげん)=ハルニレ、ブナ、ホオノキ、シナノキ、ヤマハンノキ
      2. 葉身(ようしん)+葉柄(ようへい)起源(きげん)=ヤナギ類
      3. 葉身(ようしん)基部(きぶ)+葉柄(ようへい)起源(きげん)=トチノキ、カエデ類、サクラ類、ヤチダモ、ハリギリ

    • 芽鱗(がりん)の数
        1枚=スズカケノキ、ヤナギ類(帽子状)
        2枚=シナノキ、ホオノキ(2枚が癒着)、コブシ、カツラ、オオモミジ、サンシュユ
        3枚=ケヤマハンノキ
        2~4枚=ヤチダモ、ハリギリ、ナナカマド、シンジュ、ハウチワカエデ
        4枚=ヤマグワ、オオバクロモジ
        4~6枚=アズキナシ、ハルニレ
        5~10枚=ミズキ、イタヤカエデ
        8~20枚=トチノキ
        20枚以上=サワシバ、ブナ

  4. 葉痕(ようこん)(leaf-scar)
    葉痕は、クチクラの発達した離層の表面である。維官束の痕も見える。

    • 離層(りそう)=葉と枝の接点にできる。
    • 葉痕(ようこん)=葉の落ちた痕(こん)跡(離層)。
      1. 維管束(いかんそく)痕(こん)=葉痕(ようこん)内に見られる。葉身(ようしん)、葉柄(ようへい)、枝、幹、根をつらぬく通路。
      2. 托(たく)葉痕(ようこん)=葉痕(ようこん)の両側に残る。
      3. 葉柄(ようへい)内芽(ないが)=葉柄(ようへい)が冬芽(ふゆめ)をすっぽり包んでいる、キハダ、ハクウンボク、スズカケノキなど。