Up 路線の独り歩きの構造・メカニズム 作成: 2009-03-21
更新: 2009-03-21


    <根回し・出来レースの形でしか支えられない脆弱な内容のもの>を根回し・出来レースで始めてしまうと,以降ずっと当事者間の一致結束体制を続けねばならなくなる。
    この体制には<辞める>という契機がないので,路線の独り歩き (主体不在) 模様になる。

    路線の独り歩き (主体不在) の構造は,安定している。
    「中期計画・中期目標」の項目として一旦降りてきたものは,そのまま通る。 何を言っても無駄なのは,路線の独り歩き (主体不在) 構造に因るものだからである。
    決定権をもつ者は,存在しない。
    学長・大学執行部は,この自動メカニズムの要素であって,自分でも身動きがとれない。

    国立大学の「法人化」では,「学長の強化されたリーダシップ」が謳われる。 しかし,学長・大学執行部が,もっとも身動きのとれない存在である。
    実際,「学長の強化されたリーダシップ」は,行政 (文科省) と学長・大学執行部の一体化の方に機能することになった。 「護送船団方式」を退ける文言をアクションプランに書く学長・大学執行部は,自らは行政のことばをそのまま自分のことばにする者になっている。

    「学長の強化されたリーダシップ」の現実は,行政が学長・大学執行部を<心安い関係をつくれる相手>として持てるようになった,ということである。
    「心安い関係」は,相手本位になる。
    相手本位は,自組織売りになる。
    「心安い関係」の当事者は,自組織売りに感覚麻痺する。