Up 時間軸欠如のものの考え方──全力投入モデルへ 作成: 2009-04-06
更新: 2009-04-06


    「改革」は,唱えられ,着手され,そして「これはダメだ」となって,もとに返る。
    「改革」は,だれでも簡単に唱えることができる。 そして,唱えられるその内容は,現実の行為にはならない。
    なぜこうなるのか?
    対象の捉え違いをしているからである。

    「改革」では,従来型の労働・仕事は<怠けている>になる。
    これを改めねばならないとして,<やるべきこと>の天こ盛りをつくる。
    「これをこなすのは人間業ではない・身が保たない」といった体の仕事リストをつくってしまう。

    こうなるのは,時間を考えないものの考え方をしているからである。

    長い道のりを進まねばならない者は,ちんたら歩む。
    この過程の一点をとらえれば,その者は怠けているように見える。
    そこで,時間軸を欠如したものの考え方をする者は,「怠けるんじゃない」「せっせと歩け・走れ!」を言うことになる。

    「改革」は,こういうわけで,だいたいが全力投入モデルで描かれる。
    しかし,全力投入は続けられるものではない。
    「改革」の熱が冷め,従来型に返っていく。

    これのつぎに,世代忘却がくる。
    そして,ちんたらした歩みを見て「怠けるんじゃない」「せっせと歩け・走れ!」を言う者が,また現れてくる。