Up 新科目トップダウンの手法 作成: 2011-06-30
更新: 2011-06-30


    トップダウンの要諦は,トップが直接強権の手を下さないことである。
    その手法は,トップと下部の間に複数のノードを挿み,反対が「のれんに腕押し」になるようにするというものである。
    また,ガス抜きの手法として「パブリックコメント」を併用する。

    新科目実施を決めたトップは,「実施ワーキンググループ」を組織する。
    ワーキンググループ員の反対を「のれんに腕押し」にする役割を担うのは,グループ長である。
    よって,トップは,グループ長をだれにするかで,熟慮することになる。

    教員の反対が直接ワーキンググループに向かわないために,ワーキンググループと教員の間には「カリキュラム委員会」を夾む。
    そしてこの場合,委員の反対を「のれんに腕押し」にする役割を担うのは,委員長である。
    よって,委員長対策も,トップの熟慮するところとなる。

    以上で,教員の反対を「のれんに腕押し」にするシステムの出来上がりである。
    ちなみに,各ノードの長は,力学的に,トップの意に順う者になる。 なぜなら,長対策は個人対策であり,対策されるときの個人は,「組織の大義」とは別のレベルに立つようになってしまうからである。

    トップは,「ワーキンググループ」だけでは力が弱いと見るときは,その上に「有識者会議」を組織することを考える。
    「有識者会議」は,ここまでの<反対を「のれんに腕押し」にするシステム>とはつぎの点で違ったものになる。すなわち「有識者会議」の場合は,「反対」を立てることがあり得ないものになる。 ──少なくとも,トップはこう目論んでいる。