Up 経済主義と商業主義の区別 作成: 2007-11-28
更新: 2007-11-28


    国立大学の「法人化」の意味は,国立大学が経済主義に立つということである。 ──経済主義に立つとは,経済的自立を最優先にするということ。

    国立大学は,経費の 2/3 を,国からの運営交付金で賄っている。 ( 北海道教育大学 2005年度経費配分割合)
    この状態を「自己収入だけで立つことができる」に改めることが,「法人化」の (究極の) 目標。

      「法人化」主張の主調はこんな感じ:
      国立大学は「親方日の丸」であり,無駄遣いをやり,そして働かない。 どっぷりぬるま湯に浸かっているが,これを国が許してきた。
      国立大学を法人化すれば,これがなくなる。
      リストラで無駄遣いを改め,そして民間並みに働くこと!


    経済主義は経済的自立を最優先にする立場であり,そこで「リストラ」が経済主義の筆頭の要目になる。 ( 経済主義 (マネー一元化))
    商業主義は,この経済主義とは違う。 商業主義は,「儲ける」を最優先にする立場のこと。

    経済主義も商業主義も,「生業を二の次 (マネーの次)」にする点では同じ。 しかし,経済主義には「経済的健康」の含意があるのに対し,商業主義にはこれがない。
    実際,商業主義は,「勝ち逃げ」「ひとを出し抜く」「邪道」「犯罪」等の「不健康」を退けないどころか,逆にこれを追及する。
    経済主義はまだしも「合理」の立場だが,商業主義は「勝負」(「勝てばよい」) の立場である。