Up 「法人化」のダイナミクス : 要旨 作成: 2015-03-22
更新: 2015-03-22


    「法人化」のダイナミクスは,つぎの3つを要素にして考えることができる:
      (1)「学長の強力なリーダシップ」
      (2) 経費獲得
      (3) リストラ


    I1) 「学長の強力なリーダシップ」
    「法人化」は,「企業化」がこれの意味である。
    これが成ることは,大学のこれまでのやり方をすっかり変わることである。
    大学のこれまでのやり方がすっかり変わることを行おうとするとき,いちばん抵抗してくるのは教員である。
    こうして,「法人化」を定めることには,教員を完全に押さえつける制度を措くことが含まれている。
    その制度が,「学長の強力なリーダシップ」である。

    「教授会無力化」は,学長の個人的方針ではなく,法になっているものである。
    国立大学法人の学長職に就いているということは,「教授会無力化」を遂行するということである。


    I2) 経費獲得
    「法人化」の意味は「企業化」であるが,実際のところ,国立大学は企業にはなれない。
    そこで,「法人化」の意味は,一段引いて,(前払いの)「出来高払い制」になる。
    即ち,大学が「中期計画・中期目標」に記してきた企画,教員が「科研費申請」に記してきた企画に対し,選択的に経費を出す。
    経費を受けた大学および教員は,その経費でつくった出来高を報告する。
    報告が芳しいものでなければ,次回の経費申請に響くというわけである。

    大学の教育・研究は,出来高主義に適応するものに変質していく。
    大学の組織形態・精神風土も,出来高主義に適応するものに変わっていく。


    I3) リストラ
    「法人化」は,「財政改革」(「構造改革」) の一施策である。
    「法人化」の国立大学は,「経営」と併せて「リストラ」の課題をもたされている。
    大学によっては,これがいちばんの変革になる。