Up 「グローバリズム」の言に対する国立大学の反応 作成: 2007-08-23
更新: 2007-08-23


    経済諮問会議有識者議員から「大学・大学院のグローバル化」が出てきた (下に引用)。 これに対し国立大学は,「応じる力があるか・応じるにはどうするか」を自分の問題として受け取る。

    ここで注目すべきは,what, why の問題が先にあると思っていないことだ。最初から how を課題として受け入れてしまう。
    ──いまの国立大学の知性・理性は,何を言っても鵜呑みで従ってくるレベルにまで落ち込んでいる,そんな感がある。

      もともと大学人の中にある欧米コンプレックスも関係しているかも知れない。──欧米発を示されると,それに向かって進まねばならないもののように受け取ってしまう。それについて考えるより先に,正しいもの・善いものとして受け入れる。


    『成長力強化のための大学・大学院改革について』
    (経済諮問会議有識者議員提出資料, 2007-02-27)


    2.オープンな教育システムの拠点として
      〜「大学・大学院グローバル化プラン(仮称)」の策定〜

    大学・大学院の国際的競争力を高める環境づくりをめざし、下記の点を重視して、今後3年程度の間にとりくむべき政策をまとめた「大学・大学院グローバル化プラン」を策定することが必要である。

    (1) アジアを中心とした国際的な相互連携プログラムの実現
     ・ 海外とくにアジアの大学・大学院との単位互換の上限引き上げや、二重学位制の拡大を奨励・支援する
     ・ 授業の一定割合を英語で行い、世界に開かれた大学にする
     ・ 学生の相互交流のための奨学金を大幅に拡充する
    注:EUでは、域内の大学間の教育・研究の連携や単位の相互認証など“移動性”に着目した「エラスムス・プログラム」に取組み、年間約10万人が利用している

    (2) 文系・理系の区分の撤廃
     ・ 入学時に文系・理系を選択する現行のシステムが、進路選択の幅を狭めたり、融合領域(金融工学等)の人材輩出の制約となったりしていることから、この区分を速やかに撤廃する
     ・ 教員や制度の定員をより弾力化し、学問分野を固定させない

    (3) 入試日の分散化、9月入学の実現
     ・ 受験生が複数の国立大学法人を受験・合格できるようにし、合格者が複数の大学の中から選択できるようにする
     ・ オープンに内外の人材を受け入れ易くするため、大学の9月入学を実現する