Up 学生の学外の犯罪は「学生の犯罪」ではない 作成: 2009-02-23
更新: 2009-02-23


    ○○会社の社員が,犯罪を起こした。
    社員としてではない。
    しかし,これに対し会社が謝罪することが,今日,ムードになってきた。
    ここには倒錯がある。
    どんな倒錯?

    犯罪者に対しては,社会的制裁を加える。
    われわれはこれを常識にしている。
    ここから,「制裁を加える方法をもっている者は,それを使え!」になる。
    そこで,○○会社は,解雇等の処分をすることで,社会的制裁の要求に応える。

    ○○会社が行ったことは,構造的に,「協力」であり「社会貢献」ということになる。
    ところが,これについて,倒錯する者が現れる。
    彼らは,社員に対する指導責任を会社に問う。そして,会社に謝罪を求める。
    この倒錯に,会社も同調してしまう。 すなわち,謝罪する。


    組織が指導領分としていない事について,組織に「指導責任」「謝罪」を言ってくる者は,モンスターである。

    組織は,そのメンバーに「人を殺すな」という指導はしない。 「殺人をさせない」を組織の指導領分にしていないからだ。
    大学は,学生に「大麻を吸うな」という指導はしない。 「大麻を吸わせない」を大学の指導領分にしていないからだ。
    大学は,学生に「刑事犯罪になるようなことをするな」という指導はしない。 「刑事犯罪をさせない」を大学の指導領分にしていないからだ。

      一方,学生に「カンニングをするな」という指導をする。「カンニング」は大学が指導領分とする犯罪であるからだ。
      そして,カンニングをした学生を退学させるとき,それは上に述べた「制裁を加える方法をもっている者は,それを使え!」ではなく,「大学にいてはならない存在である」という理由による。


    モンスターを相手にしてはならない。
    モンスターを図にのせてはならない。

    なお,今日いちばんのモンスターは,マスメディアである。