Up 「往還型カリキュラム」の本末転倒 作成: 2009-12-20
更新: 2009-12-20


    「往還型カリキュラム」は,<リアリティ>を欠く箱物である。
    大学教育の構造的含意として,このようになってしまう。
    <構造>が,「往還型カリキュラム」をナンセンスなものにする。

    「往還型カリキュラム」を強行しようとする者の目には,<構造>が「往還型カリキュラム」を邪魔しているように見える。 そこで,「往還型カリキュラム」のために<構造>の方を変えるということを考え出す。 これが「本末転倒」になる。

    いま「往還型カリキュラム」の本末転倒は,つぎのステージに入っている:
    1. 小学校教科指導法/教科内容研究科目の一部を,「3年から履修」(「教育実習の後に履修」を含む) にする。
    2. 専攻科目に,「2年から履修」「3年から履修」を設ける

    「小学校教科指導法/教科内容研究科目」には,「教育実習の前に履修し,教育実習に備える」の含意がある。 ──「往還型カリキュラム」以前に,「小学校教科指導法/教科内容研究科目」のロジックがある。
    「往還型カリキュラム」の集団心理は,このロジックの重さを自ら考えないようにしていく。

    数学専門からは,「集合と論理1年,数の理解2年,図形の理解2年,数量関係の理解3年」が出された。 この学年指定はこれまでもしてきたものであるが,この度これを改めて固定化したことになる。
    これらの科目は,算数グループ学生の「6単位選択必修」科目である。 この科目の学年固定化は,つぎのことを表明したことになる:
      北海道教育大学札幌校では,「集合と論理1年,数の理解2年,図形の理解2年,数量関係の理解3年」が,数学科という教科の「専門性陶冶」である。
    「算数」とは「小学数学」のことであり,これは数学である。このような「専門性陶冶」は,あるはずのないものである。
    「往還型カリキュラム」の集団心理は,「専門性陶冶」のロジックの重さも,自ら考えないようにしていく。


    資料:<履修学年固定>の依頼書 (カリキュラム委員会)
        (Word 文書ファイル)