Up 「人権」の訴えが当事者代行の形をとる場合 作成: 2011-02-09
更新: 2011-02-09


    「人権」は,つぎの形・条件で使うことばである:
    • 自分に被害を与える行為をする相手に対し,「人権」を楯に「するな」を言う。
    • するな」を言うのは,個人──あるいは<個人>の集まり──である。
    • 相手は,己の行為の正しさを任じている者である。
    そしてこのときの相手は,<権力>か<モンスター>ということになる。

    個人が<権力/モンスター>を相手にするのは,だいたいがひじょうに困難である。
    そこで,当事者を支援する第三者や,当事者に代わって訴えを起こす第三者が現れることがある。
    また,組織では,この種の第三者制度を設けるものもある。

    例:
    • 中国の人権問題を他の国にいる者が訴えるのは,中国の中からは訴えることができず,外から訴えるしかないからである。 あるいは,外から訴えることも,有効な方法になり得るからである。
    • 人権問題に政党が介入することもある。この場合,政党は自分の利得回収を計算しているわけなので,政略誘導によって問題の本質がズラされることを見込むことになる。
    • 就労関係の人権問題は,労働基準監督署 (労基署) に相談することができる。
    • 大学にはオンブズマン制度があるが,これは学生・教職員が学内で抱えることになった人権問題を解決することを目的とする制度である。
      担当員は,学生にこの場合に適切な「人権問題」のとらえを示したり促したりし,解決のために必要な当人の行動を支援したり代行したりする。