Up 「公平・平等」体制の必然形 作成: 2012-02-09
更新: 2012-02-09


    「公平・平等」を進めるとは,それによって何が起こることか?

    「公平・平等」を実現する体制を,ひとはつぎの形でしか考えることができない:
      《業績/能力主義を,一律に課す。》
    そして,これを進めていく。

    ところで,人に対すれば,業績・能力よりもずっと顕著な人間的/生物的/存在的特質が見えることになる。 そしてこれが,業績/能力主義に徹底することを難しくする。
    そこで,この特質を隠すことを,制度に加える。
    ユニフォーム主義である。

      註 : 「公平・平等」は複雑系であるが,ひとは<複雑>を考えることができない。 単純に考えてしまう。そして,この単純思考によって起こることは,,思いとは180度違ったものである。
    例えば,「一票の公平・平等」を,「選挙区有権者数あたり代議員数」に単純化する。 それによって起こることは,地域格差がさらに進むということである。


    一律業績/能力主義は,格差社会に進む。
    ユニフォーム主義は,ユニフォームからの逸脱に対する抑圧・弾圧・粛清に進む。

    こうして,「公平・平等」を進めていく先にあるものは,格差とユニフォームを体制とする社会である。
    業績/能力主義に適い,ユニフォームをすんなり受け入れられる者が,この社会での勝ち組になり,業績/能力主義,ユニフォームの一方ないし両方に適合できない者が,負け組になる。


    このように言うことができるのは,共産主義の歴史が実際に証明しているからである。
    共産主義は,「公平・平等」イデオロギーである。
    そして,格差体制・ユニフォーム体制が,この共産主義の結末であった。
    共産主義国が,これを自ら実演してみせた。

      註 : 共産主義の「ユニフォーム」は,「人民」スタイルである。
    「人民服・人民帽」が,このスタイルのアイテムになった。

    「公平・平等」の理想は,<論理・力学>によって裏切られるのである。
    裏切られるのは,<論理・力学>を思考停止しているからである。
    ひとは,物事に対し単純な考え方しかできず,思いつき・思い込みでやることしかできない。