Up 課程・科目を「組織を保てる課程・科目」に替える 作成: 2011-02-22
更新: 2011-02-22


    大学では,課程・科目の編成がいじられるときがある。 そしてそれは,たいてい,課程の看板の掛け替えのためである。
    看板の掛け替えは,自組織の保持が理由である。 背景には,自組織の保持が危うい状況がある。

    自組織の保持のために課程・科目の編成をいじることは,教育の改良として課程・科目の編成をいじることとは,違う。 そして,教育の改良として行うのではない課程・科目編成いじりは,必ず,教育を悪くするものになる。
    なぜか?
    教育は複雑系である。そして,現前の教育は,この複雑系の一応の安定相である。 変にいじれば,おかしくなる。
    変にいじらないようにいじるのは,高い能力が要る。 そして,この高い能力は常人には期待できないので,「そのままにしておけ」が,多くの場合,見識になる。

    自組織の保持のために課程・科目の編成をいじった結果は,問題だらけの課程の出現である。 都合的につくった課程は,問題山積の課程になる。
    しかし,いまさら引っ込みがつかないので,問題山積の課程を続けることになる。 そのうえ,この課程を「よい課程」として学生や外部に宣伝していかねばならない。

    自分では問題山積を承知している課程を,学生や外部に「よい課程」だと言うことは,<生き残りのためのなり振り構わず >である。
    <生き残りのためのなり振り構わず >は,社会に受け入れられる行為である。
    しかし同時に,倫理が問われる行為である。