Up 「指導」の意味 : 要旨 作成: 2013-12-14
更新: 2013-12-14


    大学が用いる罰則には,国の法になるものと,大学自身がつくったものとがある。
    ところで,大学は,これまで,罰則を自らつくらない文化をやってきた。
    現に,大学が自らつくっている罰則は,僅かである。
    特に,「規則遵守義務不履行」タイプの「不祥事」には,いちいち罰則をつくっていないのがふつうである。

    したがって,このタイプの「不祥事」が起こったとき,これを処罰の俎上にのせることができない。 ──実際,罰則によらない処罰は,「無法」である。

    しかし,お咎め無しでは,しめしがつかない。
    組織が成り立たないわけである。
    そこで,処罰でない処分を案出することになる。
    これが「指導」である。

    「指導」は,「教育的配慮」とか「情」とか「寛大」とかとは,無関係である。
    実際,罰則による処分は,順法であるから,節度をもったものになるが,「指導」は無法であるから,「指導」側に法や人権に関する素養が不足していると,<脅迫>と<卑屈>の場になってしまい,逸脱や人権蹂躙が簡単に起こってしまうのである。