Up 「不祥事」をつくり出す構造 : 要旨 作成: 2013-12-13
更新: 2013-12-13


    言いつけや規則が増えると,「守らない」が起こりやすくなる。
    そして,いまは,言いつけや規則が際限なく増える時代である。

    このような時代には,この時代を相対化できることが,智慧である。
    いまは,コンプライアンスの時代であり,マニュアルの時代であり,瑣末主義の時代である。
    翻って,こうではない時代があり,こうではない文化がある,ということである。

    「正しさ」は,時代依存であり,文化依存である。
    いま瑣末主義は「正しさ」であるが,以前は「息苦しさ」であった。
    これを普遍的正義と思っていたら,そのうち必ずや間違う。

    言いつけや規則を増やすものには,いつの時代や文化にも見出されるものがある。 事なかれ主義とか潔癖主義がそうである。

    事なかれ主義は,責任遡及型の組織に醸成されるものであり,自分の保身のためのアリバイづくりとして,規則を量産する。

    潔癖主義は,個性である。
    これは,だらしなさを嫌悪する。
    翻って,だらしない者には,潔癖主義は迷惑千万のものである。