Up 中央指導体制は全体主義を含意する 作成: 2009-06-18
更新: 2009-06-18


    中央指導では,<頼みをきいてもらう>が施策実現の形になる。 この形は,指導する側にとって,きわめて心許ない。 そこで,指導部は,この心許なさを解消する方法を講じようとする。

    歴史は,この場合どのような方法が採られるかを,見せてくれる。
    最も顕著なのが,<頼みをきいてもらう>を邪魔する者の排除である。
    どのように排除するか?
    「組織を害する者」というレッテルを貼って,邪魔者を排除する。
    あるいは,存在そのものを無くす (「粛正」)。

    「組織を害する者」のレッテル貼りができるためには,つぎの文言の前には黙るしかないという雰囲気の醸成が必要になる:
      指導部は,組織を正しい道に導く。(指導部の無謬性)
      指導部に従わない行為は,組織を害する行為である。
      組織を害する行為は,あってはならない。(全体主義)
    こうして,中央指導体制は,理の自然として,全体主義体制になる。

    「法人化」の国立大学は,官僚体制を形成し,いまは全体主義体制の形成に進んでいる。

    例 :全員が必ず○○をすること」という文言の出現。
    教員の義務」が,この場合の殺し文句として使われる。