Up 集団心理 作成: 2007-09-16
更新: 2007-09-16


    国立大学の「法人化」の現象には,教職員の本来の資質・能力に鑑みて,「集団心理」で解釈する他ないようなものが多々ある。(例:シラバス検閲)


    人の集団に関する事実として,「合理に対する思考停止と斉一行動」がある。 これをどのように解釈するかの問題で,「集団─心理」のスキームで解釈しようとするのが,社会心理学の「集団心理」。

    「集団心理」の要点は,つぎのようになる:

    1. 個は,斉一行動に簡単に同調する (同調しないではいられない)。
    2. この同調は,理性の埒外である──すなわち,カラダに刷り込まれているものの現れである。


    カラダに刷り込まれているものの発現は,如何ともし難い。
    よって,組織の安全設計論では,集団心理を起こさせないための装置を考えることになる。(「起こってからでは遅い」)
    デモクラシーは,このような装置として考え出されたものである。

    ところが,国立大学では伝統的に,「全会一致」を組織運営の方法にするイデオロギーが優勢であった。
    デモクラシー=多数決では,斉一から外れる個がつねに現れ,異論・異形はあたりまえのことになる。 ところが,「全会一致」は,異論・異形を抑え,異論・異形を「組織のためにならない存在」にする。

    こういう土壌があったところに,「法人化」が入り,「トップダウンでやれ!」となったので,斉一行動はまったくたやすく起こるものになった。


    ここでの要点:
      トップダウンのみでは,組織の斉一行動にはならない。
      組織の斉一行動は,トップダウンに集団心理が合わさって実現する。