Up 合科主義 対 分科主義 作成: 2011-12-13
更新: 2011-12-13


    教育組織の議論は,合科主義対分科主義の形を現す。
    「多様な意見」のように見えるものも,だいたいが合科主義・分科主義のいずれかを根っこにしている。

    教員養成系大学・学部の教員には,教員養成課程を卒業して教員になった者と文・理系専門コースを卒業して教員になった者がいる。
    傾向として,教員養成課程を出た者は「専門教育」を知らない。
    文・理系専門コースを出た者は,「教員養成」を知らない。
    (自分では知っているつもりでいても,肝心なレベルでは知らない。)
    そして前者は自ずと合科主義に,後者は自ずと分科主義に,それぞれなる。

    合科主義対分科主義は,時節の優勢劣勢があって,振り子運動を現す。
    この運動力学は,《一方が主役をとる → 失敗する → 別の一方が主役をとる → 失敗する》である。
    なぜこのようになるかというと,合科主義も分科主義も,単独では功罪相半ばのものだからである。
    合科主義者は「専門教育」を知らない。 分科主義者は「教員養成」を知らない。

    「改革」として現行をつくるのは,合科主義がリードした。
    従来型教員養成課程復帰は,分科主義がリードすることになる。
    総括なしの「教育組織の見直し」は,振り子運動を現すのみである。