Up 専門分野潰し 作成: 2014-04-04
更新: 2014-04-04


    行政は,上手に布石を打つ。
    次第次第に相手を追い詰めていく。
    布石の一つ一つは,機能が迂遠のため,抵抗の形が立たない。

    教員養成系大学の「ミッションの再定義」の意味は?
    それは,「専門分野潰し」である。
    いま,行政は,教員養成系大学大学院の教職大学院への一本化を進めようとしているわけであるが,これは「専門分野潰し」である。
    そして,学部が,この「専門分野潰し」の本丸になるわけである。

    大学はこれまで,つぎの等式を立ててきた:
      分野毎に専門教員をおく = 学生に教科専門性をつける
    いま,行政は,この等式を全く信じないものになっている。
    逆に,直接的に「学校教員養成ができる大学教員」を主張するようになっている。

    「FD」「教育関連論文」「教職経験」のようなことを大学教員に注文してくるが,これはもう「指導」という感じではない。底意地の悪さのようなものが感じられてくる。 即ち,「できない」を認めさせようとして注文をつけている,といったふうである。

    「理数分野」は,この「専門分野潰し」の流れに乗るものである。
    教育は,合科と分科の振り子運動をするようになっているが,「理数分野」は合科に振れる形である。
    強調するが,「従来の数学分野と理科分野をそのままにしつつ,この2つを括る上位カテゴリーを導入する」というものではない。