Up 「執行部貢献」配分 作成: 2007-04-16
更新: 2007-04-16


    国立大学法人では,教員の教育研究経費を「ベース配分に競争的配分を載せる」形で算定する。
    北海道教育大学でのベース配分と競争的配分それぞれの名称は
      1. 教育研究支援経費
      2. 教育研究活性経費
    であるが,この度「教育研究活性経費」に関わるつぎの変更がトップから降りてきた:
      (改正前)  →  (改正後)
      評価区分充当割合
      教育研究指導43 % 
      研究42 % 
      地域, 社会貢献7.5 % 
      学内貢献7.5 % 
      評価区分充当割合
      教育研究指導35 % 
      研究35 % 
      地域, 社会貢献15 % 
      学内貢献15 % 

    「評価」はむりやりの数値化でありもともと怪しげなのだが,ともかくも「教育研究指導」と「研究」が「地域, 社会貢献」と「学内貢献」に喰われることになった。


    「地域, 社会貢献」「学内貢献」配分の増分は「執行部貢献」への報奨を意味する。 すなわち,執行部貢献を確保・誘導しようとして執行部貢献を報奨する。
    実際,「地域, 社会貢献」「学内貢献」で点数を獲る者は少数なので,彼らの取り分はけっこう大きくなる。
    いずれにせよ機能的/構造的には,「お手盛り配分」である。

    ここまで述べたのは,まだ批判というのではない。機能的/構造的事実を述べただけである。 実際,この見方は衆目の一致する所であり,執行部もその意図を隠すものではない。

    しかしこのことだが,「地域, 社会貢献」「学内貢献」の<実質>を大学の本業本務と比較する者である一般教員にすれば,「ずいぶんと不細工なことをするものだ」という感想になる:
     1. 執行部の「大学 (教育・研究) 離れ」「なりふりかまわず」を,ますます印象づけることになる。
     2. 「地域, 社会貢献」「学内貢献」を改めて論点化/問題化することになる。
      本業本務の全うが,本当の/最大の「地域, 社会貢献」「学内貢献」。すなわち教育・研究が本当の/最大の「地域, 社会貢献」「学内貢献」。
     3. 「お手盛り配分」の色合いを強くした「地域, 社会貢献」「学内貢献」からは,一般教員は却って退くことになる。「地域, 社会貢献」「学内貢献」に携わっている者も,やりにくくなる。
      競争主義・評価主義・報奨主義の根本的間違いは,「ひとは報奨に引き寄せられる」という人間観。ひとは目的が「報奨」であるという形を見せられると,逆にこれから退いてしまう。

    大学教員は (腐っても) 研究者である。
    執行部の顕著な傾向性として,このことをみくびるというのがある。
    大学教員は,執行部の<人格>を「地域, 社会貢献」「学内貢献」の増配分という事態に読み取る。 この増配分措置は,一般教員の執行部に対する軽蔑を招くのみの結果となる。
    しかしこのことが執行部にはわからない。