Up 「教員養成のための専門数学」の意識・理解を欠く 作成: 2010-07-24
更新: 2010-07-25


    教員養成課程の専門数学とは,「教員養成のための専門数学」のことであり,そしてこれの意味は,専門数学の科目が「学校教員の資質・能力として必要な数学の力」をつける科目になっているということである。

    「学校教員の資質・能力として必要な数学の力」をつける科目を<やっている・できている>のうちには,つぎのことの実現が含まれている:
      学生が,専門数学の科目を「学校教員の資質・能力として必要な数学の力」をつける科目として受容することを,<やっている・できている>。
    なぜなら,学生が専門数学の科目を履修するのは,それが「学校教員の資質・能力として必要な数学の力」をつける科目とされている場合だからである。

    専門数学の科目を「学校教員の資質・能力として必要な数学の力」をつける科目として学生に受容させることができるためには,教員がこの捉えをできていなければならない。 そして,この捉えができるためには,「学校教員の資質・能力として必要な数学の力」に自覚的であり,そしてその数学がどのようなものであるかをわかっていなければならない。

    翻って,専門数学科目を「学校教員の資質・能力として必要な数学の力」をつける科目として<やっていない・できていない>場合,それは,「学校教員の資質・能力として必要になる数学」を自らわかっていないことに因る。
    わかっていないのは,きちんと押さえたことがないからである。
    そして,きちんと押さえたことがないのは,「きちんと押さえる」という意識に向かわせる環境にこれまで出会わなかったということである。