Up プロセス・方法の概要 作成: 2010-03-28
更新: 2010-04-01


    教員養成の数学教育のコースは,算数コースではあり得ない。 「算数グループ」の名称は,悪く機能する。
    すなわち,コース専攻の意味や,教職とはどういうものかについて,学生に間違った思い込みをさせる。 そしてこの問題は,年々深刻さを増している。
    いまは,この名称を変更する必要がある。

    この場合,他の専攻名との釣り合いも考えねばならない。
    そこで名称変更は,現実的に,「数学グループ」の程度にとどめるものになる。

    名称変更は,20xx年度の1年間を移行期間として,実現することを考える。
    方法は,「算数グループ」の名前が現れる個々のケースで,「算数グループ」をつぎのものに替える:

      「数学グループ (算数グループ)」
       あるいは
      「算数グループ (平成23年度からは,数学グループ)」

    またこれと併せて,名称変更の理由の説明を,ていねいに行っていく。

    これは,<浸透>を徐々に/段階的に進めていくということである。
    実際,本件は,一回のアナウンスで<浸透>が実現するというものではない。


    この目的行動は,手続き論が壁となって立ちはだかるものになる。
    この場合,最初から手続き論に入っていくと,「手続きの主体」が存在しないので,行動停止で宙ぶらりん (ペンディング) にされる。
    また,段階論が,ペンディングへの<誘い>として現れる。 ──段階論は,<ここで終わり/ここからつぎへ>の規準 (criteria) をもたないことで,現前をそのまま続けさせることが実際の機能になる。
    ( 目的行動がペンディング化される要因)

    そこで,目的行動を実際にどう進めるかという問題になる。
    おそらく答えは,「手続き論に対しては,それが起こるところでその都度対応する」である。

    「公民権運動」をモデルに考えるとよいだろう。
    公民権は,為政者が世の中を見渡し,公民権の無い者を見出し,「この者たちに公民権を与えなければならない」となって,実現するのではない。
    公民権は,それを必要とする者が,要求を出し,獲得の行動をし,その間手続き論・段階論・唐突論・拙速論とわたりあい,そして「この者たちに公民権を与えなければならないのかな」を周りから引きだして,実現する。
    だれかに委ねるという形では,実現しない。
    根気よく,丁寧に,主体的目的行動を積み重ねることが,ただ一つの方法である。